かみさま

わたしの世界はいま、ものすごく早いスピードで変わっていきます。特にここ最近、世界に対して受身でいるのをやめたらわたしは、世界がわたしの為に何かを感じる機会をたくさん用意してくれていることに気付いたのです。 いろんな人に会いました。みんなそれぞれの目的に忠実に生きていました。時に一般の人が考えるのとは相反している思想を持った人にも会いました、そのある意味崇高な目的にわたしは感動さえ覚えました。そして頑なに他の侵入を拒むその金剛石のような心の、彼一人では支えられないかもしれない裏の脆さにわたしは無情とか哀れみとか言われている感情を覚えました。
先達の深い目の色をしたトレーナーにも会いました。わたしは彼に遠く離れた地方のことや、ポケモンと人間の関係とかを教わりました。彼は自身の中に小さな総括された世界を持っていて、ポケモンは彼の独特の周波数みたいなものに惹かれているようで、わたしも彼に憧れを抱きました。
わたしには大切な友達がいます。彼の事は昔からよく知っているつもりだったのですが、彼がわたしの目の前で涙を流したとき、彼が壊れてしまうと思ったとき、わたしは彼と悔恨を共有しました。彼はそして、わたしが思っていたよりずっとずっと強靭で、再び笑ってわたしの隣に立ってくれたとき、わたしは喜びもほどほどに、何故か胸が締め付けられて彼に抱きつきたくなりました。
歴史を教えてくれた先輩より一歩前に進んだとき、わたしは残酷なまでの生々しい現実を見、彼女までの歴史がわたしの両の肩に載るのが感じられました。
ほかにもわたしの視野が広がる出来事がたくさんありました。信用されて図鑑を託されることへの責任感、共に協力して状況を打開する連帯感、旅の記録を振り返って得る達成感、時に敗北感、そしてまた前へ進もうとする軽やかな気持ち。
そして今わたしはちょっと進化して、あなたに会いに行こうとしています。わたしがあの小さな町で何かが起こるのを待っていたその時からあなたはわたしを見守っていてくれたのでしょう?わたしが行った先々で新しい感情の芽生えを体験する度に、遠いような近いようなところであなたは笑っていました。最後に会ったとき、渦巻く空に希望の光を投じたあなたはこう言ったでしょう、「もうすぐ、会えるね」。そのときのあなたのおかげでわたしの大好きなこの美しいシンオウは、未来永劫にかはどうかは分からないけど、再び清らかな時の流れと空間を持った土地になりました。今度は、どうかそのまま再び眠りにつかないで、わたしと遊んでくださいな。長い長い時間をかけてここに戻ってきたわたしをもっと、色とりどりの気持ちでいっぱいにしてください。


七つの荒れた海と五十のまっさらな平原と千の夜と億の星を越えて、会いに行く